木族 Networks
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木族 Networksとは
「木族 Networks」は、東京原木協同組合の組合員をはじめとする
木材業者、建築家やインテリアデザイナー、職人や建築工事関係者など、
“木と関わりを持つ人々”、“木に興味を持って使う人々”を、
情報・実践・教育など、多角的・総合的につなぐことを
目的とするネットワークとして活動を行いました。
“木”に関する情報を受発信し、さまざまな立場の人々からの相談に
解決策を示すことができる“木の総合インフォメーションセンター”として機能するとともに、
歴史ある木の街・木場に蓄積された知識・知恵を開放し、
現代に即した “新たなる木の文化の担い手”を育成する場となることを目指しました。
木族Networksの活用
建築家やデザイナーを始め、施工者、学生などに幅広く門戸を開放して活動を行いました。
『木族Networks』が展開する各活動に触れていただき、その上でお互いの理解を深め、少しずつ親睦を深めていきながら、ネットワークを拡充しました。
木族Networksと皆様との接点
- 木材に関するさまざまな疑問のご相談
- 木材業者・製材業者・加工業者等のご紹介
- 木を使う造作に長けた建築家・工務店等のご紹介
- 主宰シンポジウムへのご参加
- 江東区民のための木材建築講座の受講
- 「木と暮しのふれあい展」へのご来場
- 「東京原木ライブラリー・上村メモリアル」へのご来館
- シンポジウム・講演会の内容をまとめた小冊子等、発行図書のお申し込み
東京原木会館ウエストウイング
『木族Networks』
東京・東陽町の東京原木会館敷地内に位置する『木族Networks』の活動拠点として親しまれた「東京原木会館ウエストウイング」。
“木材の魅力を存分に活かした体感型ショールーム”を基本コンセプトに、内外装に無垢材をふんだんに使用した空間づくりがなされています。
ここで使われている素材たち
- 外装
- 外部ルーバー:レッドシダー4寸角 L=4000、柿渋塗り(西川本店)
小口塞ぎ:真鍮t=5(辻マーク)
既存建物外壁:ケレン補修後 FMX左官塗り(フッコー)
- 外構
- ルーバー下たたき:伊勢ゴロタ3寸丸 敷き並べ 外構床:瓦左官(ぬり貫) 植栽:葛垣(ゴバイミドリ)
- エントランス
- 外部階段:レッドシダー W180×H80 柿渋塗り(西川本店)
玄関扉:レッドシダー4枚剥ぎ t=60 柿渋塗り(西川本店)
- サロン・ブラウジングコーナー
- 床:チークフローリング W=90乱張り t=15
巾木:チーク H=45
壁:硬質ウレタンフォーム吹付け t=20の上、PB
t=12.5GL工法、西洋漆喰塗 t=3(ぬり貫)
天井:レッドシダー 140×15 ラフソーン・スムース仕上 柿渋塗り(西川本店)
特注楕円テーブル:サペリ2枚剥ぎ 1350×2400 t=50 H=720(協和木材産業)
特注ペンダント:1240φ グラスクロス張り LED照明(ヤマギワ)
- 廊下・展示コーナー
- 床:チークフローリング W=90乱張り t=15
巾木:チーク H=45
壁:硬質ウレタンフォーム吹付け t=20の上、PB
t=12.5GL工法、西洋漆喰塗 t=3(ぬり貫)
天井:レッドシダー 140×15 ラフソーン・スムース仕上 柿渋塗り(西川本店)
ルーバー:レッドシダー3寸角 銀杏面、瓢箪面交互 柿渋塗り(西川本店)
サインクラフト レッドシダー t=45 柿渋塗り(西川本店):(長谷木)
- 会議室打合せコーナー
- 床:チークフローリング W=90乱張り t=15
巾木:チーク H=45
壁:硬質ウレタンフォーム吹付け t=20の上、PB
t=12.5GL工法、西洋漆喰塗 t=3(ぬり貫)
置き家具:既製品(天童木工)
設計者コメント
(デザイン・ファーム合同会社)
建築データ
所在地 | 〒135-0016 東京都江東区東陽5-30-13 |
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設計 | デザイン・ファーム合同会社 |
施工 | 株式会社佐藤建築 |
竣工年月 | 2012年9月 |
建築面積 | 75.60m² |
構造・規模 | 鉄筋コンクリート造平屋建て(リノベーション) |
無垢材の魅力に包まれる“木文化醸造サロン”
東京原木協同組合の交流施設「東京原木会館」敷地内に位置する既存管理棟を、木材のさらなる普及促進を図る文化事業の活動拠点としてリノベーションするにあたり、私たちが心がけたのは、“無垢の木(原木)の良さを再発見できる体感型ショールーム”としての空間づくりです。
振り返れば木材は、常に私たちの身近にありました。住まいをはじめとするほぼすべての建築物が木造でつくられ、建具や家具、日用品など、さまざまに加工さ れた木材に囲まれた中で日常生活を送ってきた私たち日本人。そうした歴史と文化によって培われた木材に対する知恵や技術、実感や思いなど、情報やマニュア ルだけでは伝えきれない“木の文化”を継承発展させていくためには、その魅力を実際に体感できるハードとしての建築が必要だと考えたのです。
そこで、いまでは希少となってしまった知恵や技術の粋を集めるために、東京原木協同組合ならではのネットワークをフルに活用させていただき、樹種の選定か ら加工や仕上げ、そして施工までを、専門の職方たちのアドバイスを受けながら、エクステリアやインテリア、家具や建具などを、ともにつくりあげていくこととなりました。